この時期、みんな言いますね。
自分たちにいまできることは、何か。
いろいろあるけれど、音楽家だったら、もちろん、音楽でみんなに元気を与えること。
それに尽きますね。
(たぶんワタシの場合は、それを人に伝えることなんですね、、)
阪神淡路の震災も体験している小曽根は、
震災直後から、被災地へ赴いて演奏したり(井上ひさしさん縁の地もありますし・・・)、
いろいろ活動してきたのですが、
そのいっぽうで、このチャリティー・アルバムを作りました。
ゲイリー・バートン、チック・コリア、クリスチャン・マクブライド、
ジェフ・テイン・ワッツ、ランディ・ブレッカー、ジェイク・シマブクロ、、、
そして去年のショパン・イヤーで共演したアナ・マリア・ヨペックなど、
彼のキャリアの中の登場人物たちと改めて、
日本のために作り上げたこの作品。
目新しいことは、何一つしていません。
上に挙げたミュージシャンたちと、普通にセッションしている、
という印象。
音楽って、楽しいね、とういう感じで。
強いていえば、アルバム最後に『ふるさと』をやっているくらいかな。
特別な感じがするのは。
普段着の演奏、ともいえばいいのでしょうか。
でも、それがこのアルバムの良さだと思います。
もちろん、音楽的に何か特別なことをするのには
時間がなかったこともあるでしょう。
しかし、だからこそ、逆に日常の素晴らしさを実感できるし、
また小曽根がこの30年近いキャリアで築き上げてきたものの
佐藤可士和のジャケット・デザインは、おまけのようなもの。
それ以上でも以下でもないと思います。
ヤマザキは仕事で何度か小曽根に
話を聞いたことがあるのですが、特に印象に残っているのは、
音楽に対してリスペクトする姿勢です。
そう、彼はジャズという音楽をリスペクトして、
仲間たちをリスペクトして、
音楽を紡いでいる。
だから、その音は、いつも前を向いている。
その前向きな音は、今回の震災の場合だけではなく、
いつも、ずっと彼が発してきたもの。
曲はほスタンダード・ナンバー中心。
ムズカシイことは何一つしていません。
今聴かないと意味がない、というものではなく、いつでも、気軽に取り出して、聴ける内容になっています。
それが、このアルバムの最大の魅力だと思います。
もちろん、その前に、自分でお金を出して買わないと、意味がないのですが、、、
売上は全額、公益社会法人 企業メセナ協議会GBFund
(芸術・文化による震災復興支援ファンド)に寄付されます。