もう十数年も前になりますが、アメリカのニューオーリンズに取材で行けたことがあったのです。
ちょうどその年はエルヴィス・プレスリーの没後 30 年とかで、じゃあメンフィスでも行くか!? みたいな感じでしたが、ニューヨーク在住の戦場カメラマン(!)さんが、「いや、今行くんだったらニューオーリンズのほうが面白いよ」とのことで、というか、その鶴の一声で、ニューオーリンズに行くことになったのです。
※ 今から思えば、いい時代です。本当に、いい時代……(遠い目 笑)。
当時のニューオーリンズは、ハリケーン〝カトリーナ〟から 1年半が経ったぐらい。ようやく復興のメドが立つのかどうか、みたいな感じだったでしょうか。
しかし、それは街の中心部の話で、貧しい人たちが多く住んでいた地区は、やっと洪水によるがれきが取り除かれようとしていた頃でした。
例えば、えっと、、こんな感じ、、
ガイドさんからも「あなたたちはなぜこんなところに来るの? 2 日前もここでシューティング(発砲事件)があったばかりで、しかもオリエンタル(我々のこと)がいちばん狙われやすいのに」といわれ、僕は背筋がゾッとして、(たぶん)寿命が 3年ぐらい縮んだのでした(爆)。
まぁ、一緒に行動した戦場カメラマンさんは『TIME』とか『Newsweek』で賞を獲っちゃうようなすごい方で、つまりは物騒なところにしか行きたがらないので(猛爆)、3 年ばかりの寿命と引き換えに(?)、とてもいい(あるいは、もう二度と御免被りたい)経験をさせていただきました。
さて、前置きが長くなりました。
ダーティ・ダズン・ブラス・バンドのメンバーにインタビューすることができ、その後、近くのレストランで昼食を摂りながら、カメラマンさんが言ったのです。
「この辺ってさ、僕が住み始めたばかりの、つまり 20年ぐらい前のニューヨークに雰囲気がすごく似ているんだよね。どういうところがというと、50歳を過ぎたオッサンが『オレはまだまだこれから成り上がってやるぞ』とか言ってるような雰囲気があるというか……。昔のニューヨークはそういう元気なオヤジばかりだったけれど、今はすっかりいなくなっちゃった」
そのとき、思い出しました。
レイモンド・カーヴァ―の短編を強引につなぎ合わせたロバート・アルトマンの映画『ショート・カッツ』で、トム・ウェイツ演じるオッサンが同じようなことを言っていたのを。
「いまに見ていろ、オレは成り上がってやる」みたいな……。
※ もう 20 年以上観ていないので、本当にうろ覚えなのですが。。
あ、ちなみに 80’s 好きにはたまらない(?)ヒューイ・ルイスもチョイ役で出演しています(笑)。
さてさて。
本当に、前置きが長くなりました。
つまりは、僕も 50 を目前にして、成り上がってやるぞ、なんて思ってしまっているのです、なんということか(猛爆)。
もちろん、ギターで。
まぁ、つまりは、来年こそはギターをまともに弾けるようになるぞ、そしてレパートリーを量産するぞ、ということで。。
来年の抱負、でございました。
これを読んでくださった皆さま、よい年をお迎えください。