今日は、ウィーンからやってきた2人組、バルトロメイ・ビットマンのライブを観に行ってきました。
詳しくは、こちら。
このビデオは一体何カット撮ったんだ、というくらいに楽しいですね。今日も演奏していましたが、曲名を紹介する際には「同じ名前のエレキギターが有名だよね」と言っていました(笑)。
バルトロメイ・ビットマンは、クレメンス・ビットマン(バイオリン&マンドラ)とマティアス・バルトロメイ(チェロ)によるユニット。
ウィーンというと、どうしても“音楽の都”というイメージがついてまわると思いますが、この2人も、上の動画を観ればわかるように、もれなくクラシック音楽を学んでいます。特にチェロのバルトロメイに至ってはウィーン・フィルの元主席チェロ奏者を父に持ち、ニコラウス・アーノンクールが設立したウィーン・コンツェントゥス・ムジクスにも参加しているという、まぁ簡単に言えば、ガチなクラシック・ファンも思わずビビってたじろぐ経歴の持ち主です。
これも今日やっていましたが、曲名がズバリ『アーノンクール』。
上の2つの動画を観ていただければ分かると思うのですが、クラシック音楽の教育を受けているので、もう演奏が上手いのは当然です。
僕が彼らのことをとても魅力的だと思うのは、そのアウトプットの仕方がとても現代的というか、ジャズやロック、ポップスというフィルターを通して馴染みやすい音楽にしているところ。キレッキレなんだけど、しっかりと曲で聴く人の心を掴むことができる。
バイオリンもチェロもリズムとメロディの住み分けができていて、どっしりとしたビート感を出していました。このビートの出し方は、クラシックだけやっている人では出せないかな。そしてマンドラは上の動画で弾いているものではなく、もっとアコギっぽい造りの、特注(?)のものを使っていて、本当にアコギのようでした。ハーモニクスが綺麗だったなぁ。
要は使い方次第で、どんな楽器もいろんなことができる、ということだと思います。ギターももっと幅広く使えるように練習しないと、と思いました。
あと、時おりマーラーの交響曲っぽい雰囲気も感じたりして、ただ聴きやすいだけじゃない、彼らの出自を強烈に主張していたと思ったことは付け加えておいたほうがいいかな。
僕は幸運にも、ウィーンに何度か行ったことがあるのですが、結構変な街(もちろんいい意味で)という印象があります。
ゴミ処理場はこんなだし。
これは奇才建築家、フンデルトヴァッサーの作品。確か大阪のゴミ処理場も彼だったような気が。
音楽でいえば、クラシック音楽がどうしてもイメージづけられてしまうのだけど、ウェザー・リポートのジョー・ザヴィヌルもウィーンの出身で、彼のことを目にかけていたのはフリードリヒ・グルダでした(グルダもベートーヴェン弾きとして有名だけどジャズも演奏していた)。
ザヴィヌルが作ったライブハウス〈バードランド〉ではバルカン系のバンドが出ていました。
実はバルカン半島とオーストリアは近く、ウィーンはチェコのプラハより東に位置するという、日本からはなかなか想像しにくい地理的要素も、ウィーンという街には働いているのでしょう。
マーラーやクリムトだって最初はかなりブッ飛んだ存在だったでしょうし。
バルトロメイ・ビットマンも決して、突然変異ではないと思いました。
ということで、いろんなことを考えたのでした。
ところで、バルトロメイ・ビットマンはこのほどレコーディングをして、夏にはアルバムとして出したい、と言ってました。要チェックです。
ギターは使われていないけど、同じ弦楽器だし、ギターを弾く人にとっても発見がいろいろあると思います。