先日観たコンサートで、弦楽器のデザインについて考えてみようと思ったのでした。
例えばストラディヴァリウスやグァルネリなどなどは18世紀のものとか(まぁ、使っている人はごくごく一部に限られますが)、とんでもないヴィンテージがあるヴァイオリンの世界。これはもう、ここ100年ぐらいで発達したギターと比べて、オーラがあるのは当たり前ではあります。
16世紀に登場したときから、すでに現在と同じ形だったといわれるヴァイオリン。しかし、例えばエレキギターでいうファイヤーバードやフライングVのような(例えが極端か……)、いわゆる変形ギターのようなデザインが試されたことはなかったのでしょうか。
とか考えてみたら。
もう7~8年ほど前になりますが、見ていました。モスクワのグリンカ楽器博物館に展示されていた、ソヴィエト時代に作られたヴァイオリン。洋梨のようなシェイプをしていますね。ソヴィエトと言われれば、それっぽいような気がしてくるのが不思議です。
しかし、誰が、どんな目的で作ったかは、忘れてしまいました……。今度調べてみようと思います。
さらに調べてみたら。
おぉ。。
これは、19世紀にウィーンで活動したルシアー、ヨハン・ゲオルグ・ストーファーが作ったヴァイオリン。1826年の作だそうです。かなりシンプルなフォルムですが(逆に古楽器とかを連想させもします)、アッパーバウツ(画像でいう下の部分)が普通のヴァイオリンより狭くなっていますね。当時はまだあご当てとかもないはずなので、現在のような演奏姿勢を想定していないのかな? 三日月形のサンドホールも印象的です。
※画像は、下のリンク(サウス・ダコタの国立音楽博物館)より。
さて。
彼はギターも作っていいて、そちらのほうが有名なようです(アルペジョーネというチェロに似た楽器がシューベルトもそのための曲を書いたということで知られているけれど、それはここでは割愛)。
これですね。
あれ、このヘッドの形……、そして、リバースヘッド……? エレキギター好きにはどこか親近感を持ってしまうデザインですね(笑)。
このギターが作られた19世紀前半は、ウィーンではサロンでギターを弾くのが流行っていたという話を聞いたことがあります。シューベルトもギターの入った室内楽を作っています。
そして。
マーチン・ギターの創始者、クリスチャン・フレデリック・マーチンは、若い頃にウィーンでストーファーに師事していたことがあるようです。
それで、2008年には00のストーファー・モデルも出しているんですね。
音楽の都 ウィーンから、遥か海を渡ってアメリカへ。
とということで、楽器のデザインについちえ考えたら、ヴァイオリンからギターに、つながりました(笑)。
こうやって調べてみると、楽器を通じて音楽の歴史のダイナミズムを感じるようで、面白いですね。
またいろいろと調べてみようと思います。