先日、チェコスロバキア製のギターというのを見つけて、ちょっと興味が出てきました。
1950年代、60年代ということで、どうしても頭の中が元共産圏というイメージになってしまったのですが、楽器、音楽の伝統というところから考えたら、この地域はとても深いものがあったんだ、とふと思ったのです。
以前訪れた、チェコのリトミシュルという街のお城の中で展示されていた、18世紀のボヘミア地方(現在のチェコ)の小学校の様子。スピネットのほか、バイオリン、オーボエ、ホルンまでを教えていたといいます。
当時、現地を訪れたイギリスの音楽史家、チャールズ・バーニーは「ボヘミアの人々は全員が音楽家のようだ」と言ったとか。
モーツァルトに大きな影響を与えたといわれているヨゼフ・ミスリヴェチェクもボヘミアの出身です(彼が成功したのはイタリアだけど)。
もちろん、日本人だったら三味線や琴を弾けるかといったらそうでないように、過去にそういう文化があったというだけで、現代のチェコの人々がみんな音楽や楽器に造形が深いかといいったらそんなことは全然ないと思いますが……。
と、ここまで来て。
ドブロ(リゾネーター)・ギターの製作で知られるドピエラ兄弟は、スロバキア人でした。「ドブロ」というのはスロバキア語で「良い」という意味だそうです。チェコ語では「ドブリ」でした。
そういえば。
ブルースのレーベルで知られるチェス・レコードの設立者、レナード・チェスはポーランドからの移民でした。
僕はブルースが好きですが、同時にヨーロッパの文化、特に中・東欧地域もなぜか好きです。
その両者をつなぐ架け橋みたいなものが、調べてみたら見つかるかも、と思うと、ちょっとわくわくしてきました。
こうしていろいろなことを考えるのは、幸せなことだなぁ、と思います。