トミー・エマニュエルの最新アルバム『Accomplice One』lから、〝Deep River Blues〟のPVが公開されました。
ドク・ワトソンの作ったカントリー・ブルースをジェイソン・イズベルとデュエットしています。
撮影はテネシー州ノレンズヴィルの奥深い森の中で行われたようです。
おそらくこのあたりはアパラチア山脈の麓、ヨーロッパからアメリカ東部に渡った人が、この広大な土地を開拓していくときに初めて遭遇した難関だったはず。18世紀初頭、先頭を切って山奥に入っていったのはアイルランドやスコットランドからやってきた移民だったといいいます。彼らが持ち込んだ音楽と、19世紀に鉄道工事に従事するためにやってきた黒人たちの音楽が出会い……みたいなことを思ってしまうのはロマンチックに過ぎるのかもしれませんが、そんなイメージを掻き立てる素敵な映像だと思います。
そして、音楽ももちろん素晴らしい、、。まさにカントリー・ブルースというか、明るるい光と影のコントラストが絶妙で、アメリカなんてほとんど行ったことがないのに、不思議な郷愁を感じてしまいます。
さて、このアルバム『Accomplice One』、ほかにもデヴィッド・グリスマン、ブライアン・サットンとの〝C Jam Blues〟や、J.D.シモのスライドがいい雰囲気を出しているオーティス・レディングの〝(Sittin' On)The Doc of the Bay〟、ジェリー・ダグラスとの超絶な〝Purple Haze〟など、ギター・ファンならずとも聴きどころが目白押し。本当に素敵な音楽だなぁ、と思います。
どれも本当に楽しそう。楽器が上手くなれば、こういう境地を体験することができるのか、と思ってしまいます。そこから見える景色はどんなだろう。
まぁ、そんな日が生きているうちにやってくるかどうか分からないけれど(たぶん、ない)、少しでも近づくために練習するとしますか……。