今週のお題「わたしの春うた」
昨日は夏日で外を歩くと汗ばんでしまったけれど、今日は少し肌寒い。
「春」というと、どこかウキウキする季節というイメージがあるけれど、同時に妙に不安定で、なかなか落ち着かない季節でもあると思います。「今年こそは何か新しいことをするぞ!」みたいな、春への(過剰な?)期待感が、ちょっとそわそわしたような感じを生むのかもしれません。
僕も昔は春になると、「何とかしなきゃ!」みたいに意味もなく力んでしまっていたような気もしますが、40代も半ばにさしかかってくると、季節感とかに惑わされずにとにかく平常心でいこう、自分のペースを崩さずに、みたいに考えるようになってきました。
だけど、その反面、相変わらずちらっと人生を動かす何かを期待してしまうような、変な下心みたいなものもまだ残っていて、、やはり不安定な季節であるわけです、春というのは。
さて。
〝Spring Can Really Hang You Up The Most〟という曲(フラン・ランデスマン作詞/トミー・ウルフ作曲)。1950年代の作品です。
エラ・フィッツジェラルドのバージョン。
「春は一番憂鬱な季節」とでもいいましょうか。
歌の主人公は恋に破れ、部屋の中で寝転がって天井を見つめたり、時間つぶしに公園を歩いたりしている。1月には確かに感じた愛が、4月には亡霊になってしまった。学生たちは愛の詩を書き、小鳥は愛の歌を歌っているけれど……4月は本当に最低だし、憂鬱な季節……と、延々とブツブツ言っています。
いろんな歌手が歌っているけれど、上のエラを筆頭に、控えめな歌唱が多いと思います。ふつふつと沸き起こる感情を必死に抑えるような…。
ダイアン・リーヴスが切々と歌い上げる感じ、さすがだなぁ。
男性だとジェイミー・カラムがレパートリーに入れていますね。
若いのにこの渋みといか、独特の雰囲気を持っていて好きな歌手です。しかし、決定的に盛り上がるところがない曲だけに、どう歌い上げるか、歌手の器量が問われそうです。
独特の雰囲気といえば、このお方のバージョンは最たるものかも。
ハーモニクスを多用したギターの響きは、時に美しかったり、不安定だったり。まさに春のそわそわする感じを表現しているようで、素敵だなぁと思います。こういうギターを弾けるようになりたいなぁ。
そして、イスラエル出身でニューヨークを拠点に活動する若手女性ギタリスト、ディーダ・ペレッドはボサノヴァのリズムで軽快に決めています。
確かに憂鬱な季節かもしれないけれど、最低な後には上がっていくしかないのよ、と笑い飛ばしていくような強さも感じます。
何はともあれ、春というのはいろんな気を起こさせる季節。
いろんなことに惑わされずに、日々練習を続けようと思います。
ま、こんな写真を撮ってしまう時点で、すでに春に侵されているような気もしますが……(笑)。