40→70 ギターでデビューする!

ヤマザキです。40歳でギターを始め、8年目に入ってしまいました(2021年現在)。無謀にも70歳までにデビューするという目標を立てているのだが、はたして……? 普段はライター業をしています。

まあいろいろ考えるよ

女の子の顔のパーツをWeb上で福笑いにして、何が楽しいんじゃぁぁぁああ!? 
と、叫んでみるヤマザキです。
ネタはちと古いです。。。 
いや、彼女ら本人に罪はありません。
青春の二文字をアイドル業に捧げる姿は、感動的ですらあります。
先日の、総選挙という名の人気投票では、どこか甲子園的な清々しさ(もしくは、キモチ悪さ)すら覚えてしまったのは、私だけでしょうか。
その結果を胸に、また「来年こそは!」との想いを支えに、彼女らはまた一年、
アイドル業を精進するのでしょう。
時代は確実に変わっていますね。


まあさておき、この頃いろいろ考えます。
いまは、「一億総評論家」の時代、なんて言われてます。
評論家ですら読者に評論されてしまいます。
もしくは
「評論家ってさー、何偉そうなコト言ってんの!? ウザくね??」
なんて言われてしまったり。
ま、時代は確実に変わっているのでしょう。


私がガキの頃、主なメディアといえば、テレビ、ラジオ、そして紙媒体。
ビデオもなかった家で、まだ小学生だったヤマザキ少年は、
当時洋楽に目覚めた3歳上の姉に、夜中、強引に付き合わされ、
ベストヒットUSA」や、そのあとのMTVなどを暗い部屋の中で、眠い目をこすりながら観ていました。土曜の夜。
それで、お年玉や小遣いを貯めて、
いざ、レコードを買おう! と決心した時。
姉が買ってた「FMステーション」やら、当時創刊されたばかりの「POP GEAR」とかの新譜欄を
ひっかえとっかえ穴の開くほど読んで、「どれにしようかな~」と悩んだのであります。マジで。
そこのレビューを書いている人の言葉(つまりは情報)が全てだったんですね。

時は流れて、1年間浪人した結果大学に入れることになって、初めてバイトをして貰った給料で、
「CD一度に2枚買えるじゃん!!」となった。
それで新星堂に行って、1時間くらい悩んで、やっと2枚買って、
そしたら帰り道、「どっちから先に聴こう?」となって、
そう思った途端、なんか急に涙がこみ上げてきて、止まらなくなってしまった。全裸で。
あ、いや、間違えた!!!!! 
路上で。。。



まあそんなことを思い出してしまうのは、時代が変わったからか、自分がオッサンになったからか。
とにかく今は、レコードとかCDとか買おうかどうか悩む前に、インターネットで視聴できてしまうのだよ。
学生の頃、気になっているCDがショップで視聴できてしまうことには感動を覚えたが、
いまやCDショップに行かずともネットで視聴→即購入。
音源が手に入らなくとも、動画サイトでたいていのものは見られる。
ジャスティン・ビーバーとか、You Tubeから火がついたんでしょ??

まあとにかく音楽ソフトを買うのに、いちいち想像力を働かせることもないし、
たぶん高い買い物でもない(個人差はあると思うが)。
欲しいものはすぐに手に入り、自分で確かめることができる。
それで自分が「いい」と思ったものはいいし、「なんかダメだな」と思ったら、いらない。
感動って、何だい?
評論(の、ようなもの)なんて、自分でしまっさぁ。
今の時代は判断の速さが勝負ですから。


自分は学生時代にジャズなんかをちと齧って、そのうちマディ・ウォーターズにハマってしまい、
その結果「今年はロバート・ジョンソン生誕100年なのにぃ~」なんて
情けない声をあげているのだが、
1975年、日本で初めてブルースフェスティバルが行われた時、
ロバートの義理の息子(?)を名乗り、そのロバートとは数歳しか違わないロックウッドが初来日したときの
ライブCDを手にとって、フェスの司会が中村とうようさんだったことを知った。

中村さんとは幸運にも一度だけ、取材でお会いしたことがある。
ボサノバについての取材で、「ボサノバとは、ジョアン・ジルベルト流の、サンバだと思うのですよ」
と熱く語られていたのを憶えている。
「サンバだったら、ギリェルミ・ジ・ブリートのレコードを、是非聴きなさい」とおっしゃっていたことも。
当時もう70歳を過ぎていたけれど、白いナイキのスニーカーがやけにハイカラに感じられた。
頑固そうだけど、やさしい爺ちゃんだなあ、というのが率直な感想だった。

私にとっては、いろいろな逸話もほとんどが後追いなので、
そういう熱い時代だったんだなァ、と思うことくらいしかできないのだが、
しかし、情報が今と比べたらオハナシにならないくらい乏しい時代に、
世界の様々な音楽を紹介してこられた、そのエネルギーは相当なものだったろうと想像する。
マイケルの「スリラー」に0点を付けたとか? 
まあ賛否あるだろうけど、それだって今から考えれば、そして自分がその立場だったらできません。

情報はなんでも瞬時に手に入る時代。
今や何もかも広告(つまりはお金)優先の時代。
真っ当な評論とか、感動とか、どこか穿った目で見てしまいがちな世の中。
何かに反論すると、「ウザくね?」の一言で片付けられそうな感じ。


すごく自分勝手な憶測なのだけれど、
中村さんは、今の時代に、自分の役割を終えたような感覚を持っていたのではなかろうか。
一回しかお会いしいていないのに、ホントに勝手な憶測なのだが。

謹んで、お悔やみ申し上げます。

じゃあ、いちおう業界の端っこの端っこの端っこの端っこにいる自分なぞは、
この時代にどうしていけばいいのだろう?

などとあてどなく考えてしまう金曜日の夜。

明日は土曜日です。
知り合いのバンド練習のお手伝いをします。
おしまい。