最近、BGMとしてよく聴くのが、ハービー・ハンコックの『スピーク・ライク・ア・チャイルド』というアルバム。
- アーティスト: Herbie Hancock
- 出版社/メーカー: Blue Note Records
- 発売日: 2006/08/21
- メディア: CD
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理由としては、まぁ、ぶっちゃけ言えば、AmazonのPrime Mmusicで聴けることをたまたま知ったから、ではあるのですが……、学生の頃に『ジャズ名盤○枚』みたいな本でこのアルバムが紹介されているのを読んで、いつか聴いてみたいなと思いつつも、ついついその機会を作らずに(というか忘れてしまい……)四半世紀が過ぎてしまった、という訳なのでした。格好をつけた言い方をすれば、青春時代の忘れ物との邂逅、みたいな……。
思い起こせば、同じ本に載っていた『処女航海』を当時聴いたけど、いまいちピンとこなかったというのもあります。その頃はハード・バップばかり聴いていたので……。
Maiden Voyage (The Rudy Van Gelder Edition)
- アーティスト: Herbie Hancock
- 出版社/メーカー: Blue Note Records
- 発売日: 1999/04/08
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あと、今のことを言えば、ギターものばかりだと、そちらばかりに集中してしまってBGMにならない、というのもあります。
とにかく。
あぁ、なんて美しい音楽なんだろう。
このアルバムの最大の特徴といえば、フリューゲル・ホルン、バス・トロンボーン、そしてアルト・フルートによるホーン・セクションが導入されていること。このセクションはソロを取る訳ではなく、あくま楽曲に彩りを添える存在。だけど、そのふくよかな音色はまるで室内楽のよう。
そしてハンコックのピアノはグルーヴィーでありつつも、やはり室内楽的で叙情的な感覚も持ち合わせていて、聴いていて落ち着くというか、とても穏やかな気持ちになれるのです。
グルーヴということで言えば、ロン・カーターのベースがいろいろ面白いことをやっているな、と思います。
肌触りはクラシック音楽のようにジェントルなんだけど、実はそこかしこにジャズの躍動感が散りばめている。おそらくは、昔にこれを聴いても、やはりピンとこなかったと思います。ある程度年齢を重ねたからこそ、この音楽を受け入れられたのだと。
だけど、考えたらこのアルバムが出たのは1968年。ちょうど半世紀前。ハンコックは当時また30歳前。大人だなぁ。あるいは、自分が子供なのか。。
ともかくも。
僕は、実はこのように上品だけどグルーヴのある音楽をやりたいんだ、とこのアルバムを聴いて改めて気づきました。それが一体いつのなるのか、生きているうちにできるのかどうかも分からないけれど。そう思うことができただけでも、このアルバムに出会えて良かったと思います。
まぁ、そういう志を持つのはタダ、ということで……。