とても不思議な感覚を、体験しました。
ギターを手にしたのはいいけれど、自分が最近練習していたフレーズやら何やらが、思い出せないのです。
実は先日、実家の南房総市で独り暮らしている母を、東京に連れてきました。
もともと先週の日曜日に妻と一緒に訪ねる予定ではあったのですが、台風 15 号の影響で予約していたバスが運休となってしまいました。
まぁ、そこまではある程度予想がつくことだったのですが。
電気が通じなくなっているという。そして、電話も通じない。携帯電話を持たない母に連絡をする手段がなくなってしまったのです。
台風が過ぎ去った後は猛暑。エアコンも効かない家で、もしかすると屋根に穴が開いているかもしれない。そして何より、生きているかどうかすら分からない。
これはやばいと思い、翌日カーシェアで妻と一緒に南房総に向かいました。東京を走っている最中に、高速道路が復旧したことを知り、割と早く着くことができました。下の道しかなかったら、やばかったなぁ。時間もかかるし、土砂崩れの恐れもあったので。
家の近くまで来て、一気に緊張が走りました。写真の屋根が飛んでしまった建物の右脇からウチに入っていくのですが、電信柱が1本残らず倒れて道を塞いでしまっている。やばい、ここは被災地だ。
回り道を知っていたので(まぁ、地元なので…)、だけどそっちから行ってもウチの前に行く道は通行止め。ここで車を置いて歩いていこうかとも思ったけれど、そこは妻のアイデアで無視して突破してしまうことにして(笑)、恐る恐る家の前まで来ると。。
母は玄関を開け放して寝転がっていました。それまでがれきの片づけをしていたのです。そして、作業はお隣さんとかも手伝ってくれたので、彼らに、僕たちのために買っておいた魚を煮て食べさせてあげた(冷蔵庫も効かないから放っておいても駄目になるだけだし)。だからお前たちに食べさせるものは何もないよ、と。
テレビも映らないから、恐らく自分たちの置かれている状況が世間にどう伝わっているかもわからないのでしょう。
そんなんで来たんじゃない、食べ物なんてどうでもいい、この灼熱の中にいつまでもいたら熱中症になるかもしれないから東京に行くぞ、と半ば拉致するように車に乗せて東京まで戻ってきました。
母だけ連れて行くのはお隣さんとかを見るとちょっと後ろめたい気がするけれど、でも普通の乗用車だからそんなに乗せられない。それに彼らだって事情がある、と割り切ることにしました。
我々のマンションでは落ち着かないだろうということで、やはり東京に住む姉夫婦の家に母を預かってもらうことにしました。本当は今日、家に戻る予定でいたけれど、東電の発表で復旧にはまだかかるとのことなので、もう少しこちらにいてもらうことになりそうです。
まぁとりあえずはひと安心。だけどニュースは気になるが、そもそも報道があまりされていないし、政治の世界からはガン無視されているような気も……。ということで落ち着かない。
ただし、仕事はしないといけない。というか実は今月はここ何年かでいちばん忙しい。書くべき原稿、編集の仕事もあるし、大きめの取材もたくさん。かなり余裕がない状態だけど、先月も似たような状況で、お盆に帰れなかったので今月帰る予定を強引に立てたのだ。そのために断った仕事もあった。でも、そうでもして時間を空けてなかったら、南房総まで行けたかどうかも分からない。そういう意味ではよかったな。。
さて。
とりあえずはひと段落ということで、ギターも練習しないと。気がつけば発表ライブまで 2 か月を切っている。
ということでギターとアンプを出して構えたのだけど。
あれ、、この前まで何を練習しようとしてたんだっけな……。
と、なってしまったのです。すっかり忘れてしまっていた。。ほんの 2、3 日しか経っていないのに。
ブログを見直して、あぁ、そうだったと少しづつ思い出したのですが。
もちろん、練習してる曲とか歌詞とか、大きなことは覚えているのですが、ここでこんなフレーズを弾こうとか、細かく考えていたことが、すっぽり抜け落ちてしまっていたのです。ギターでいえば、こういう感覚は初めてです。
何か大きな出来事、ショッキングなことがあると、忘れてしまうこと、頭から抜け落ちてしまうことって、あるんですね。
まぁ、幸いにも仕事のことはまだ抜けていない(爆)。
来月はまた南房総に行くことになるかもしれませんが、暇をみて練習していくようにしようと思います。