コペンハーゲンの目抜き通りというか、旧市街的な観光スポットのひとつに、ストロイエという小ぢんまりとした歩行者天国があるのだ。
ストックホルムから夜行列車で、途中ヨーテボリから連絡船にも乗って、朝の 6 時に着いたけれどやることがないので構内のベンチに座ってボーっとしていたら、アルメニアから来たという老人に「〇〇〇持ってないか?」と話しかけられ、これはヤバいと思って慌てて逃げて早朝の街に飛び出した。そんなこんなでストロイエをぶらついていたら、日本人の女性に出会って、ご飯でも食べましょうか、ということになったのである。
この、旅シリーズの、続き、です。
当時(1990年代前半)、まだ北欧ブームなんてのもなかったし、現地で日本人に出くわすなんてこともほとんどなかったので、なんかまぁ、ホッとしたのでしょうね、お互い。。
で、メシの席では、今なんでここにいるのか、みたいな話から始まるのは自然な流れで。
大学のサークルの花見の場所取りをしている間、ヒマだから本でも読むか、と生協で物色してたまたま手に取った『スウェーデン人はいま幸せか』がきっかけで、北欧行ってみようかなぁ、とか思ってます、みたいな話をゼミの先生にしたら「だったら君、オンブズマンに会ってきたまえ」みたいな話になって、いよいよ行かざるを得なくなったなんて情けない話を、たぶん正直に話したような気がします。
そして、その方はなぜコペンハーゲンにいたかというと。
「プリティ・メイズというバンドを追いかけて、ここまで来たんです。ご存知ですか? プリティ・メイズ……」
おぉ、、知ってますよ、なんせ、当時メタル好きでしたから。。
というか、北欧メタルはブームでしたねぇ。。
代表曲のひとつ、〝Red Hot and Heavy〟。高校生の頃にエアチェック(!)した記憶が。今聴くと、レインボーとかディオの線を狙ったのかな、なんて思ったりして。
僕がリアルタイムで聴いていたのは、この曲が入った『ジャンプ・ザ・ガン』というアルバム。確か友達から CD を借りた気がする。
こういうパワーバラードがあると、美しいとか、ヘヴィじゃないとか魂を売ったとか、結構賛否が分かれたりして(笑)。
しかし、このフィル・リノット(ん? ジョン・サイクスだっけ??)のカヴァーだったらメロウでも許されるという。ラジオで伊藤政則さんが「彼らはシン・リジィとか好きなんだねぇ~」とか言及していたような気が……。
しかし、同じ時期に聴いていたジョン・ノーラムにしてもそうなんだけど、リジィのカヴァーとなるとフィル・リノットになりきっちゃうのが微笑ましい(笑)。
ということで。
彼女はその後プリティ・メイズの面々に会うことはできたのでしょうか。
四半世紀ぶりに思い出して、これらの曲を聴いてみました。
リジィのカヴァー、もっとうまくなったらチャレンジしてみようかなぁ。。
数年前にコペンハーゲンを訪れたときは、僕の好きな画家、ヴィルヘルム・ハンマースホイを意識して写真を撮ってみました。
と。
来年、上野にやってくるそうです。前回来たときは「ハンマースホイ」だったのに、「ハンマスホイ」になったんですね。どちらが好きかは意見が分かれそうです。
どうも、むかしの旅の話になると、とりとめもなくなりがちです。