僕の前のテーブルには、おばあちゃんがこちらに背を向けて座っていて、だけどすごく猫背というか、うつむいているよう。
周りの席の人たちは彼女を心配そうに覗き込むけれど、その反面楽しんでいるようでもあり……。
と、思っていたら、おばあちゃんが顔を上げた。
クスクスッと、笑いをこらえようとしても声が出てしまう周りの人たち。
おばあちゃんはケーキを頼み、だけど食べる前(あるいは食べている途中)に居眠りをしてしまい、ケーキを枕がわりにしてしまったのだ。
9 月のストックホルム、よく晴れた午後。街の中心から少し外れた、とあるカフェでのこと。確か、隣は教会だったような。。
ほのぼのしていて平和だなぁ、と思わず自分も笑ってしまった記憶がある。
まぁ、おばあちゃんからしたら恥ずかしいやらケーキがもったいないやら、だけどまずは顔を拭かなきゃ……みたいな感じだったけれど(笑)。
先日の記事を書いたあと、ふっと、そういえばこんなことがあったなぁ、と思い出したのです。
このほんわかした感じを、音にしてみたらどうだろう。
そして、参考としては、去年練習したハンク・ウィリアムスの〝Cold Cold Heart〟をモチーフに、リハーモナイズ(?)みたいなことをして自分なりに曲にまで仕上げてみては……? みたいなことを思いついたのでした。
実際、去年はこの記事を書いたときは自分の中で盛り上がっていたけれど、結局カタチには残しておらず。。
ここで一丁、トライしてみるかな。
やはり何かを創るきっかけ、モチーフみたいなことが見つかると、いろいろな記憶やら何やらが自然とつながってきて、面白くなってくるのでした。
写真はストックホルムの旧市街、ガムラ・スタン。小雨が似合う静かな佇まいでした。