この前の日曜日は、ここ何ヶ月か練習してきた曲を披露する発表ライブでした。
その2週間前にリハーサルを行い、現実を思い知ったのと、、ライブが近づくにつれてなぜか仕事が忙しくなりだしだこともあり、もうぶっつけ本番的にエイヤっと臨んだのでした。
会場はブリティッシュ・パブで、観客には出演者の身内などのほか、「たまたまビール飲みに来たら音楽やってた」という方もいます。
先生もそこでよくライブをやっているのですが、最近はダンスのチームが気に入ってくれて、曲に合わせて踊っているようで、今回も彼らがやってくるとのこと。ということは僕の前でも踊ってくれる可能性がある。実際、僕の前の生徒さんたちの演奏でも踊ってくれている。
これで自分の演奏で踊ってくれなかったら、ショックだなぁ、なんて思いつつ、自分の出番に。
まず1曲目、Bill Frisell の〝Gohst Town〟。インストだけど、コード進行はシンプルで、そのぶんソロではいろんな「遊び」ができるのだと思うけれど、ここは無理して変なことをせず、素直にいった。すると、踊りの人のうちひとりがこちらを見ているので、微笑んでみる。すると何人かがステージの前に出てきて踊ってくれた。
よかったぁ、、と思いつつ、なんなく曲は終了。全体としての出来は悪くなかったんじゃないかと思う。
そして、次の曲、James Taylor の〝Everybody Has The Blues〟。これはもともとノリのいい曲なので、踊ってくれるだろう。
そして、自分のソロが歌の途中に1コーラス、最後に2コーラス用意されていて、最初の1コーラスはノリを重視してメジャーの音を使って、最後の2コーラスもその流れでいったほうが間違いはないかな、と思って臨んだのですが。
やってるうちに、欲が出た。
流れに乗って弾くのではなく、「弾いてやろう」という気が、頭の中でもたげてきた。「せっかく練習してきたんだから、やってやろうぜ、おい」みたいな。。
ちょっと無理してマイナーの音とか、ディミニッシュの音なんかも使っちゃったりして……。
すると。
自分としては「出し切った」感こそあれ、踊りの人たちはもちろん、周りのことをあまり憶えていない。後で聴くと、崩壊まではいかないかれど「あちゃあ……」という部分もあり、、見に来ていた妻からは「やんちゃしたな……。」と言われ。。そういえば、ピックアップのセレクターは最初は真ん中で、最後のソロでリアに入れてガツンとした音にしようと思っていたのに、それもすっかり忘れてしまい。。
演奏が崩壊、というところまでは行ってないけど、なんか、人の欲というのか、醜いところが出てしまったような気がして、それほどいい気分にはなれなかった。掴みかけたものに手を無理して伸ばして、結局取り逃がした、みたいな、そんな気分でした。
演奏というのは、人の心や感情が、そのまま音として出てしまう。恐ろしいものだなぁ、としみじみ。
今日、ライブ以来初めて、当日使ったギターを出しましたが、セレクターがフロントになっていて、、まぁしまうときにいじったかもしれないけれど、なんか象徴的でありました。
ということで。
終わったことはまぁ、終わったことなので、その反省を生かして次に行きましょう。