昨日、友人との会話の中で、スーフィーの話が出てきて、以前トルコのイスタンブールで観たスーフィーのショーのことを思い出しました。
スーフィー(メヴレヴィー)というのはイスラムの神秘主義で、独特の旋回舞踊で神に近づこうとする。ダンサーが旋回すると、白い衣装の裾が広がって、とても神秘的な光景が目の前に出現します。
伴奏はヨーロッパのリュートや日本の琵琶の起源と言われるウード、尺八のようなネイ、ツィンバロンの原型ともいえるカーヌーン、そして太鼓。オリエンタルな響きに耳を傾けていると、クラシック音楽(ヨーロッパ)を通過してアメリカに渡り、現在僕らが楽しんでいるポピュラー音楽の深い深い源のようなものが感じられてくるのでした。
本来、このダンスはとても神聖なものだけど、現在では重要な観光資源となっていて、観光客も気軽に観ることができます。
まぁ、あくまでも「ショー」なので、案内してくれた方は「これは本当のメヴレヴィーではなくて残念」みたいなことを言っていたけれど、僕にとっては初めて観るものなので本物かどうかも分かりませんし、十分に楽しめました。
このときは僕もまだギターを始める前で、それほど楽器に関する知識もなかったのですが、訪れた楽器屋さんはとても興味深いものでした。
トルコの三味線ともいえるサズ。民謡(トルコではとてもポピュラー)で弾き語りによく使われます。エレアコ化しているのは時代の流れ、というものでしょう。
ウード。どこで生産しているのかは分かりませんが、結構安かったような気がします。
昔の写真を掘り返しててこれを発見してビックリしたのだけど、ウードもサズもエレアコどころかエレキ化していた!
やばい、今イスタンブールに行ったら買っちゃうかも……(笑)。実はイスタンブールは楽器天国なのかも、と思いました。他にもバイオリンやトランペット、オーボエなどオーケストラで使われる楽器の原型のようなものや、打楽器もたくさんありましたし。
リュート奏者のつのだたかしさんの本で、イスタンブールの古楽器屋ですごい年代物の、そしてとても価値のあるウードが、店主がそのことを知らなかったのか二束三文の値段で売られていたのを見て、思わず買ってしまった、なんて話を読んだことがありますが、今でも掘り出し物はたくさんあるのでしょうか……。
イスタンブールの魅力は、楽器だけでなく(というか、おそらくほとんどの人がそっちがメインだと思うのですが)、食べ物はめちゃくちゃ美味しいし、歴史的建築物もたくさん。
居酒屋のメゼ。前菜、みたいな感じでしょうか。小皿をたくさん頼んで楽しむのが居酒屋でのおすすめ。イスラム圏だけどビールやワイン(トルコワインは実はとても美味しい!)、そしてラキという蒸留酒(アニス系かな?)など、お酒も楽しめます。
野菜や魚も豊富で、食材は日本とほぼ変わらないので、食生活には困らないと思います。
ローマ時代に教会として建てられ、後にモスクとされたアヤ・ソフィア。もう迫力があり過ぎて、ただただ圧倒されるばかり。ブルーモスクなどの純粋な(?)モスクにももちろん入ることができます。
バザールに光が差し込む。お土産屋さんが延々と並んでいるわけですが、物色をしていると店の主人がお茶(チャイ)を持ってきてくれて、それがまた美味しい!
これは8年ほど前のことだったのですが、本当に、ここでは書ききれないほどの楽しい体験をしました。
また機会があったら、イスタンブールを訪れたいと思います。