ミッシェル・ンデゲオチェロの新作『カヴァーズ~ヴェントリロクイズム』に収められた、プリンスの〝Sometimes It Snows In April〟が、とっても印象に残りました。
ミッシェル・ンデゲオチェロは独特の存在感があって、いつも気になるアーティストです。本作は80年代のソウルやR&Bのカヴァー・アルバムで、ほかにもシャーデー(!)やティナ・ターナーをはじめ、おそらく僕より上の世代の方にとっては懐かしさを感じるであろう曲が揃っています。
で、このプリンスの曲は、とにかく美しいのですが、カヴァーするとなると、オリジナルの影が強すぎて、なかなか難しいのではないかと素人的に思ってしまうのですが、イントロのベースソロだけで自分の世界に引き込んでしまうあたり、さすがだなぁ、と思いました。この、明るいのか暗いのか、まさに春なのに重たい雲が立ち込めるような、季節の変わり目のどこか不安定な感じを、このベースのイントロで表しているような気がするのです。
これを機に、彼女のほかのアルバムも改めて聴き直してみようと思いました。