40→70 ギターでデビューする!

ヤマザキです。40歳でギターを始め、8年目に入ってしまいました(2021年現在)。無謀にも70歳までにデビューするという目標を立てているのだが、はたして……? 普段はライター業をしています。

ギターと同じくらい大きかった、歌う、ということ

こちらの続き、です。

guitar-itsuka.hatenablog.com

 

結局、なんやかやと自分でいろいろやってみたものの、そんなに簡単に事がうまく運ぶことなんてなく、発表ライブでのソロは散々だったような気がします。というか、もはや憶えていません。。

この曲はこの1年後にもやりましたが、その時のギターもあまり憶えていません。かわりに、自分の歌が、というか歌へのお客さまの反応が、とても印象に残っています。

 

ギターを始めてよかったことは、もちろんギターそのものに触って、弾くことを覚えたことです。加えて、歌うようになったことも自分にとって大きい出来事でした。

歌うだけだったらカラオケに行けばいいじゃん、と思うかもしれませんが、最近の曲は知らないし、そもそもカラオケ(というかその雰囲気)が好きではないのです。。

 

「歌う(うたう)」という言葉は、「訴う(うったう)」というのが語源だという説があるそうです。何か、どんな内容にせよ、外に向けてエネルギーを放することが、歌うことのプリミティブな目的なのでしょう。

僕はカラオケにも行かないし、思いきり声を発するということは、普段の生活でなかなかあるものではありません。

だけど、ギターを持てば、それができる。

もちろん、家でそんなに叫ぶわけにはいかないけれど、レッスンとかライブだったら、できる。

ギターを弾きながら声を出すと、それはまた気持ちよくて、日頃の嫌なことやストレスが、声とともに自分の中からすぅーっと出て行くような気がしたのです。それはみんなカラオケに行くよな……。

 

「Tain't Nobidy's Business ~」は、スローなアレンジにしたのと、自分が少しだけ弾き語りに慣れてきたこともあり、割と大きな声が出せるようになりました。

それで、発表ライブの当日。

現場での音出しで、一曲の半分くらいやれる時間を各々与えられるのですが、そこで「Tain't Nobidy's Business ~」をやったら、なんとお客さまから拍手をもらえたのです。リハーサルなのに。

会場のパブはもうその時間にはオープンしていて、幾人かお客さまがビールを飲んだり仕事をしていました。そのうちの1人、外国人の方が反応してくれたのでした。

 

僕にとってはそんなこと、もちろん初めての体験です。びっくりもしたし、友達ではなく、見も知らぬ人に自分のパフォーマンスを褒めてもらえる快感というか(もちろん先生のサポートがあってこそ、ですが)、ステージに上がることの喜びを、またひとつ味わってしまったような気分でした。

ビギナーズラック、というものかな……。

 

guitar-itsuka.hatenablog.com

 

そこで慢心したというか、欲が出てしまったというか、結局本番では拍手はなかったのですが、その方には話しかけていただきました。

「君の歌、よかったよ。あれは『Georgia On My Mind』か?」

違う、ベッシー・スミスやB.B.キングが歌ってた曲だよ、と答えたのを憶えています。

 

夢よもう一度、ではないけれど、それ以降は、意識はせずとも欲が出てしまっているのか、選曲が良くないのか、はたまた自分の精進が足りないのか、なかなかあの時のように歌えません。

おそらく、精進が足りないのでしょう。

 

(つづく)