前回の続きです。
学生の頃に好きになった曲を、改めてギターでトライ
ということで、発表ライブが終わったあと、「Mojo Hand」に加えて、新しい曲を練習することにしました。
例えば大人になってギターを始める人は、「昔好きだった曲を、自分で弾いてみたい!」という気持ちが強いと思います。
僕も例に漏れず、長年好きでいる曲をいつも選んでいます。この時は、「Tain't Nobody's Buisiness If I Do」をチョイスしました。古い曲です。
僕がこの曲を知ったのは、学生の時に観た映画『青いドレスの女』で、使われていたのを聴いたことがきっかけです。この、ジミー・ウィザースプーンのバージョンが使われていました。
ちょうど、このリンクの予告編で、流れています。
『ブルードレスの女』は、初めて黒人探偵が登場するハーボイルド、という触れ込みで、デンゼル・ワシントンが主演しました。そして、もうひとつの売りが、ジャズやブルースがふんだんに登場すること、だったのです。
僕は、このジャズのようでもありブルースでもあり、ジャンルを超越した原始的な歌の魅力をこの曲に感じて、好きになりました。
ベッシー・スミスも歌えば、フレディ・キングも歌う。ウィリー・ネルソンも歌うしエリック・クラプトンも。
特に、このダイアン・リーヴスのバージョンが好きでした。
このアルバムは、1曲目からキャロル・キングの「If You Love Me Tommorow」を、ハービー・ハンコックの「Maiden Voyage」との合わせワザで聴かせたりと、インストと歌がぶつかり合うような、緊張感あふれる曲が続くのですが、その最後に、ギターのケヴィン・ユーバンクスとのリラックスした雰囲気のデュオで、この曲が歌われるのでした。とってもブルージーな歌いまわしで、彼女のヴォーカリストとしての底力が窺い知れます。
とにかく。
この曲を、やることにしたのです。
習ってはいるけれど、できる限り自分で考える
レッスンでは、ひと通りコードを覚え(これも最初のうちは大変でした…)、リズムに合わせたバッキングのパターンを教わり、それに歌を乗せ、そして慣れてきたところで「ソロもやりましょうか」ということに。
いちばん無難なのは、先生にソロを作ってもらうとか、相談しながら作るとか、この曲で使うスケールを教えてもらうとか、ということだと思うのですが、僕はなんと「ソロは自分で作る、というか弾きますので、他の部分、例えば演奏を合わせることとかを教えてください」と言ってしまいました。まだスケールも何も全然分からないのに……。
その時は、「人に作ってもらうよりも、自分でいろいろ考えてソロを作ったほうが、スケールとかの勉強になるし、何より自分のオリジナルになる」と考えたのです。
果たしてそれがよかったのかどうかは分からないけれど、今でもそのやり方は貫いています。
考えれば、ある程度ソロを作ってもらって、それを自分であれやこれやと分析しながら練習する、というやり方もあったと思います。そのほうがスケールとかを覚えるのにも効率的だったかもしれません。
どちらがよかったのかは分かりませんが、とにかく、自分でソロを考えることになったのです。
(つづく)