この記事の、続きです。
ギターを習い始めて初の曲「Mojo Hand」を半年ほど練習して、自分にとって初めての発表ライブがありました。
場所は自由が丘のアイリッシュ・パブで、先生のバンドのサポート付きで演奏したのですが、これがまた、もう本当にダメだった。思い出したくないほどに、何もできませんでした。
自分で弾き語り、ソロも作ってもらって、いっぱしのカタチにしてもらったのですが、結局思うようにできない(間に合わない)まま臨み、リハーサルでは、他の出演者がめちゃくちゃ上手く見えて(実際に上手かったのですが)萎縮し、本番では会場の雰囲気に圧倒され、ガチガチのまま終えました。
いやぁ、本当に、何もできなかった……。
だけど、とっても不思議な感覚でした。
これで落ち込んだというよりも、もう1回やりたい、という気持ちが、むくむくと自分の中で大きくなっていったのです。
これがもし、仕事で、例えばプレゼンで大失敗した、というようなことであれば、もう立ち直れないくらいショックなのだと思います。だけどこの時は、自分ができなかったことへの反省よりも、ステージに立ち、スポットライトを浴びたことの恍惚感のほうが勝ってしまったのです。
こういうことなのか、お客さまの前で弾き、歌うというとはーー。
よく、乞食と役者は3日やったらやめられない、といいますが、それは音楽にも当てはまるのではないでしょうか。
とにかく、ギターを続けよう、続けないことには始まらない、という気持ちになったのです。
(つづく)